葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2021年6月18日金曜日

6月15日 植生ボランティア

 今回は、はじめに葛城フォレスターの皆さんとGエリアの植栽地を見てまわり意見交換をしました。この植栽地は、大規模緑地の初期整備でモウソウチク林を伐採・伐根して、つくば地域の里山のクヌギ-コナラ林をモデルとして、平成26年春に3~4mの成木を植栽するという工事がなされたエリアです。植栽から7年が経過して、すっかり林になりました。すでに木同士が干渉し始めており、林内も暗くなってきています。里山の林は、かつては伐って利用し萌芽更新させることで明るい落葉樹の林を維持してきました。木を利用することが里山の保全には大事ではないかという意見が多く出されました。


コナラ、クヌギ、ヤマザクラ、アカマツ、エノキ、エゴノキなどが植栽され林になりました。
明るい林内には里山の野草も生育しています。
すでに枯れたり弱ったりしている木もあります。

常緑樹のシラカシが育って林内が暗くなっています。
どのような林をめざすのかを決めた方がよいという意見も出されました。

後半は、植生ボランティアのメンバーで前回設置したカシナガトラップのチェックをしました。ナラ枯れを引き起こすカシノナガキクイムシ(通称カシナガ)が葛城の森に来ていないかを調査するために20箇所にトラップを仕掛けています。

カシナガは弱っているコナラの木をマスアタック(多数の個体が集中する)性質があります。
弱っているコナラの木を中心にトラップを設置しました。

トラップの昆虫を回収してカシナガがいないか確認します。

林内ではヒメコウゾの実が赤くなっていました。

ニワトコは初夏に赤い実がなりますが、めずらしい黄色の実(キミノニワトコ)がありました。

カシナガトラップに入っていた昆虫など。
カシノナガキクイムシはいなかったので、ひと安心です。引き続き調査は継続します。


0 件のコメント: