葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2021年5月27日木曜日

5月25日 植生ボランティア

 今回は、茨城県自然博物館の小幡和男先生をお招きして、植物について、いろいろ教えていただきました。葛城の森はすっかり初夏のたたずまい。フェノロジー調査(花や実の記録)をしながら緑地内を回り、気になる絶滅危惧種の現況チェックや保全区の手入れなどを行い、要注意の外来植物の様子なども見て回りました。

ニワトコの実がすっかり赤くなりました。

小幡先生に植物の見分け方を教えていただきました。

絶滅危惧種クチナシグサは種子がたくさんこぼれたようです。

唱歌「夏は来ぬ」に歌われている卯の花(ウツギ)も満開です。

保全区の中と周囲のクズを刈り取りました。

ここで保全しているのは絶滅危惧種のノニガナ(キク科)。ツンツン伸びているのがみんなノニガナです。
2m×2mの中に95本のノニガナがありました。花は終わって綿毛になっています。

アカスジカメムシを見つけました。おしゃれな模様です。

ヤマグワの実も色づいていました。

要注意の外来植物ワルナスビ。鋭いとげがあります。

湿地の水位が落ちていました。水生植物のウキヤガラが全面を覆うと急激に水がなくなるので、前回のフォレスター作業で刈っていただきました。湿地プロジェクトで掘りこんだ水路に水がありますね。


2021年5月18日火曜日

WEB展覧会~春の里山クラブ交流会で~

 5月9日に開催した春の交流会で、参加者のみなさんが撮った写真や描いた絵などの作品を集めたWEB展覧会です! 春の自然のみずみずしさや、緑地で過ごした楽しさが伝わってきますね。


【作  者】仲村健
【タイトル】湿地で生き物探しをする子どもたち
【コメント】森から伐り出してきた丸太を使って手づくりした桟橋ができて、水辺に親しみやすくなったようで良かったです。ところで最近我が家では子どもたちと一緒に絵を描いて楽しんでいます。絵を描くことで少しずつ知覚・感覚も冴えていくような、そんな気がしています。
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【作  者】A.N.
【タイトル】しっちのはし
【コメント】いろいろないき物がいて楽しかったです。しっちの絵をぱぱと書いてます。
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【作  者】T.N.
【タイトル】しっちのとまりぎ
【コメント】とうきょうだるまがえるをかんさつしました
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【作  者】K.T
【タイトル】カエル捕まえた!
【コメント】カエルのお腹プニプニで気持ちよかった(^^)
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【作  者】すいかソムリエ
【タイトル】オオアオイトトンボのヤゴを捕まえたよ
【コメント】4月に湿地の先生に教えてもらって、ザリガニを捕まえた。湿地の源流付近、足元が悪くなっていることも気にせず、スタスタと再訪。また、先生に教えてもらって、今回はオオアオイトトンボのヤゴとザリガニを6匹ずつ捕まえました。
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【作  者】kawasaki
【タイトル】人面カメムシ
【コメント】おじさんのような顔です。ナガメという名のカメムシ
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【作  者】ひらっぴー
【タイトル】ルリニワゼキショウ(アイイロニワゼキショウ,ヒレニワゼキショウ)
【コメント】小さな花です。外来種ですが、どぎつくない色合いが素敵です。
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【作  者】はる
【タイトル】珍しい虫を捕まえた!
【コメント】ウスバキツノトンボという名前の虫です。

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作品はまだまだ募集しています。
ぜひご参加ください。

交流会当日の様子はこちらからどうぞ!

2021年5月11日火曜日

5月11日 植生ボランティア

  今回は、緑地を広く回り、植物のフェノロジー調査(花や実の記録)や希少植物の分布調査、保護のための印付けなどを行いました。葛城大規模緑地には、雑木林、松林、草原、湿地と様々な環境があるので、多様な植物が生育しています。そして、その植物を食べる虫や、すみかとするする動物もたくさん暮らしています。春から初夏の花の多い季節は、生きものにとっても、成長や繁殖の季節です。

ウツギ(卯の花)が咲き出しました

調査をしながら緑地内を回りました。
保全したい植物への印付けも。

森の中でオオジシバリの花が満開です。

ヘビイチゴの実が赤くなりました。

絶滅危惧種のクチナシグサが今年はたくさん見られます。
実の形がクチナシの実に似ていることが名の由来です。

草原のススキがぐんぐん伸びてきました。今年もいい茅になりそうですね。

保全区の草をかっています。イヌゴマの花が秋に咲く場所です。

フデリンドウの実が開いて種子がこぼれています。
来年もたくさんの花が咲くといいですね。

エゴノキの花が満開です。たくさん昆虫もやってきます。

絶滅危惧種ノニガナの保全区を観察。


今年は草原にノニガナの花がたくさん咲いています。
花はたんぽぽを小さくしたようなキク科の花です。

草原にノウサギのふんがありました。

ノイバラの花もきれいに咲いています。



2021年5月9日日曜日

5月9日 葛城里山クラブ交流会

 今日は、 気持ちよい新緑の森の中に集合場所(展示ブース)を設定し、開会して交流会が始まりました。日頃この緑地の手入れ活動をされている葛城フォレスターや植生ボランティアに参加しているメンバーなどもボランティアとして参加してくださいました。参加者は、①生きもの観察、②植物観察、③水辺の活動、④自由散策の4つの活動に分かれて、①~③はサポートスタッフと一緒に出発。前半後半で活動の交代をしていろいろ楽しまれる方々、ずっと水辺で活動する方々、ゆったり緑地内を散策する方々など、思い思いに春の緑地を楽しみました。最後は湿地の水辺に集合して、今日の感想や、今後この緑地でやってみたいことなどを分かち合いました。後日、参加者の皆さんから寄せられた写真や絵やコメントなどを「WEB展覧会」としてご紹介しますので、お楽しみに!

急に暑くなりましたが森の中はとても涼しいです。

展示ブース。ボランティアの方々が設営を手伝ってくださいました。
季節ごとに見られる花や自動カメラがとらえた動物写真など展示しました。

緑地の中で見つけたものなどの実物展示。タヌキの骨が子どもたちに人気でした。

生きもの観察チームは草原で昆虫探し。

植物観察チームは松林内を散策し、樹木や草花を観察しました。

草原で今年たくさん咲いた絶滅危惧種のノニガナを観察。

水辺チームは湿地に拡大しているウキヤガラを掘り取ったり、水辺の景色を楽しんだり。

子どもたちはやっぱり水の中の生きもの探しです。
オオアオイトトンボのヤゴやトウキョウダルマガエルがいました。

最後にまとめと分かち合いの活動をして終わりました。

参加した皆さんが書いてくださった今日の感想です。

この緑地でやってみたいこともいろいろありますね。
これからも里山の自然を保全しながら、みんなで楽しみたいですね。