葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2019年6月28日金曜日

動物調査から フクロウの撮影


撮影されたフクロウ


 先日は、葛城緑地の一角に設置しているトレイルカメラ(赤外線などで動物を検知して自動撮影するカメラ)で撮影された、野生動物の姿の一部を紹介させていただきました。


 動画という形で、普段は見られないような動物たちの姿を観察することができ、みなさんにも好評だったようです。さて、今回は、そのような調査の一環でフクロウが撮影できたため、この場で紹介させて頂こうと思います。撮影は、水辺での休息の場面を捉えたものでした。

フクロウその1
水辺に舞い降り、その後カメラに向かって飛び去ります。

フクロウその2
その1から数分後で、飛び去った後戻ってきたようです。杭の上で周囲を見渡しています。

 フクロウは、里山の環境を代表するような生き物です。ねぐらとしての巨木のある森林、獲物を見つけやすいような開けた森林や草原、畑など、かつての里山に見られたような多様な自然環境を利用します。したがって、フクロウがいることは、そういった自然環境が現在に残されていることを示します。周辺で開発が進行していることを考えれば、今回の撮影は、葛城緑地が里山としての良好な環境を残していることの証拠と言えるでしょう。

 カメラは、前回に引き続き水辺のエリアでの撮影ですが、ここ数か月は水位が上昇し、常に水面を撮影するようになってしまったため、水際を映すように移動しています。水を飲みに来る、水中の生きものを捕獲しに来るような動物の行動を撮影できれば、と考えての移設でしたが、移設して数日で今回のような大きな成果を得ることができました。

 鳥類にとって、地上に降りることはイタチなど捕食者に襲われるリスクがあり、あまり観察されない行動だと思われます。今回は、水辺に降り立ち何をしているかまではよくわかりませんが、今後も観察を続けていくことでこのような行動を把握し、フクロウの保護、ひいては里山の保全に繋がるような知見を得ることができればと考えています。

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