葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2019年10月16日水曜日

10月15日植生ボランティア

 10/13の里山散歩は台風直後のため中止となりました。10/15の植生ボランティアでは、台風後の森の中を点検して歩き、風であおられた苗木の支柱を直したり、フェノロジー調査(植物の開花結実の記録)をしたりしました。森の中は目立った被害はなく、咲き出したセンブリの花などに季節の移り変わりを感じました。

センブリの花が咲き出しました。今年は蕾をたくさんつけた株が多数あります。

苗木の支柱を直しました。

アカマツを再生した林では倒れた木もなくほっとしました。

新たに3年前に植えた抵抗性アカマツの苗も大きくなっています。

今年3月植えた直後にノウサギにかじられた苗も復活してます。

アキノノゲシの花

台風にあおられて傾いたアキグミをおこして固定しました。

湿地の水は満水でした。ウキヤガラなど水性植物は枯れ始めています。

ガマズミの実がきれいに色づきました。

2019年10月1日火曜日

10月1日 植生ボランティア

10月となりましたが、まだ日射しが暑く感じます。今回は抜き取った外来種オオフタバムギラの片づけ作業と追加の駆除作業、フェノロジー調査を行ないました。

イヌキクイモの花が咲きました。北米原産の帰化植物です。

近縁のキクイモとは根で見分けるので掘ってみました。小さいイモしかついてないのでイヌキクイモです。

前回抜いて乾かしていたオオフタバムグラをゴミ袋に入れました。種を残さないよう焼却処分します。

ススキの穂が出ました。この下層にまだオオフタバムグラがあるので、さらに抜き取り作業です。

ススキの密度の低い場所に大繁殖しています。厄介な外来植物ですね。

休憩後、フェノロジー調査を再開。

コシオガマの花がありました。
各地で生育が減少している半寄生植物です。

皆さんが夢中になって採っているのはムクノキの実です。黒い実は甘く干しあんずのような味がします。

ムクノキの熟した実が枝先にありました。

ススキ草地では、今回もナンバンギセルの花がきれいでした。


2019年9月17日火曜日

9月14日 植生ボランティア

 今日は、秋の気配が漂う葛城大規模緑地で、フェノロジー(植物季節)調査や、今年の春補植した苗木まわりの草刈りなどをおこないました。ススキ草地にはナンバンギセルの花がたくさんあり、ヒヨドリバナも咲き出しました。センブリも各所で生長して、小さな蕾も見られました。

ナンバンギセルの花。葉はなく、ススキの根に寄生しています。

栗の実もはちきれそうに大きくなっていました。

草地の植物を保全しているエリアです。ヤマハギ、ヒヨドリバナ、オトギリソウなどが花盛りです。

ヒヨドリバナには、葉が切れ込んだもの、花がピンクのものなど様々あります。

センブリが生育している場所を囲って保全します。昔から有名な薬草ですが、各地で減少している植物です。

今年芽生えたセンブリがたくさんあります。花が咲くまで2年かかり、咲くと種をつけて枯れる2年草です。

ツルボの花。

まだまだ日向は暑いですが、森の中は涼しく、秋の気配も感じます。

苗木のまわりの草を刈りました。クズに巻き付かれなければ順調に生育しそうです。

雨水がたまった苗木の竹で、アマガエルがひと休み中…

2019年9月9日月曜日

9月8日 朝ボラ+里山散歩

秋の気配が漂う葛城の森で活動しました。朝8時からの朝ボラには、子どもたちも参加して、要注意外来植物のオオフタバムグラの抜き取り作業をしました。10時からの里山散歩には45人が集まって、草原や森で昆虫や野草、樹木やキノコを観察しました。絶滅危惧種のバッタに出会うなど、思い出深い回となりました。

住宅地への影響が懸念されてスギが伐採・伐根された跡地に要注意外来種オオフタバムグラが繁茂しています。

これがオオフタバムグラ。かわいい花なのに厄介者です。
草丈の高い草の中にもたくさん! 草をかき分け探しました。

こんなにたくさん!梅ジュースの休憩をはさんで1時間半。子どもたちもがんばりました!

里山散歩に出発。今回は大人数でガイド役も3名。いくぶん蒸し暑い陽気でしたが、森の中は涼しい!

草原では、さっそく子どもたちが虫とり開始! コオロギやバッタがたくさん。トンボも飛んでいます。

アカボシゴマダラも捕れました。外来の蝶です。

昆虫に詳しいインストラクターが解説。なるほど、と大人も感心。

草原は場所ごとに草丈を管理して維持しています。ここは低い草丈で刈り残された場所。

ノウサギの新鮮なフンがありました。

ここで見つけたのがショウリョウバッタモドキ。茨城県の準絶滅危惧種です。

森の中を楽しく散策しました。

オトギリソウの花が咲いていました。傷に効く薬草です。

湿地には水がありました。みんなで掘った水路がトンボの産卵場所になっています。

ツリガネニンジン。秋を感じさせる花です。

イヌゴマの花もありました。昨年は見られなかったのでうれしいです。

2019年9月4日水曜日

9月8日の里山散歩+朝ボラのご案内


今月も里山散歩の前に朝ボラ(1時間半程度の森づくり活動)を行います。
簡単な作業ですので、お子さんを含め、どなたでもご参加いただけます。
両方参加でも片方参加でもOKです。

里山散歩のテーマは「秋の気配を探そう!」です。
秋を感じる野草や木の実など観察します。
今年は、栗の実はどうでしょうか?

〇日程
9月8日(日)
(朝ボラ)8:00集合~9:30 ※雨天中止
(里山散歩)9:50  集合~12:00 ※少雨決行、荒天中止

〇服装・持ち物
動きやすい服装、運動靴、飲み物、タオル、帽子、軍手(朝ボラ参加の方)

〇集合場所
葛城地区大規模緑地 北側の広場(学園の森3丁目)
スーパーセンタートライアルの隣、まんりょう公園の向かいです。
駐車可。分からない方はご連絡ください。

〇参加費
無料

〇申込み
道具の準備等があるので、事前にお知らせいただけると助かります(当日参加も可)
(朝ボラのみ、里山散歩のみ、両方参加など)。
申し込み先 葛城里山クラブ事務局(一般財団法人つくば都市交通センター内)
メール:machisodate@tutc.or.jp
電話:029-859-1896(平日9時~5時半)

〇当日連絡先 欠席連絡は不要です。時間になりましたら出発します。ご了承ください。
TEL:080-3913-1298(つくば環境フォーラム携帯・当日のみ)

2019年9月3日火曜日

9月3日 植生ボランティア

 今日は、要注意外来植物のオオフタバムグラの駆除作業をしました。思ったより広範囲に生育が広がっていました。すべては採りきらないので、次回の朝ボラ作業に回すことにして移動。もう一つの目的だった湿地のタコノアシ(絶滅危惧種)の開花状況をチェックに行きました。保護のため印つけした場所だけでなく、湿地に広く生育し、花もしっかり咲いていました。秋の紅葉が楽しみです。

オオフタバムグラ。かわいい花なのですが・・・

大きな株となって草原の中にかなりの個体が生育しています。

伐採したスギの根株を伐根するため、昨年重機が入った場所を中心に拡大しています。
思っていたよりずっと広範囲にあります。

用意したゴミ袋一つでは入りきらず山積みになりました。

イヌザンショウの花が虫のレストラン状態に。花が少ない時期なので集中してますね。

これも困った外来種、ワルナスビです。
とげが痛い強雑草が植樹地に広がっています。

フォレスターの皆さんが除去作業をしてました。ちぎれて残ると茎などの破片からも再生します。

平成28年3月に植樹した場所。植えた木が4年目でこんなに大きくなりました。森の再生も、もうすぐ。
コブシ(中央の木)、クヌギ、コナラ、エノキ、ヤマザクラなど雑木林の樹種を植えています。

湿地の絶滅危惧種タコノアシ。花が咲きました! 秋には真っ赤になります。

秋の七草クズの花も咲き出しました。クズも森づくりには手ごわい強敵です。

きもちよい森の道を通って帰りました。