葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2021年11月5日金曜日

11月2日 植生ボランティア

  今回は、ナラ枯れを引き起こすカシノナガキクイムシ(通称:カシナガ)の被害がないか調査を行いました。カシナガは体長5mmくらいの小さな甲虫ですが、コナラ、クヌギ、シラカシなどブナ科の樹木に穴をあけて卵を産むと同時にナラ菌を植え付け繁殖させて幼虫のエサにします。集団で同じ木に集まる性質があり、多数のカシナガが入るとナラ菌が蔓延して樹液の流れを止めるため木が枯れてしまいます。今回の調査で、1本の被害木が見つかりました。被害は軽微ですので、カシナガが来年増えないよう、春までに手当てをする予定です。

秋の雑木林で調査。周囲長60㎝(直径20㎝)以上の木を調べます。
被害を受けるのはブナ以外のブナ科の大径木とのことです。


2人1組で樹種や胸高周囲長を記録し
被害の有無をチェックしました。

昨年見つかった被害木にはカシナガホイホイ(粘着シート)が取り付けてあります。
手当てをしたので、このエリアでの被害木はありませんでした。

続いて別のエリアで調査。

カシナガ特有の粉のようなフラス(木くず)を発見!

確認用につくった楊枝(先から1cmに赤い印)を刺すとカシナガの穴の大きさにぴったり

10か所程度の穴があいていました。フラスもたくさん!
被害は根本付近に集中しています。

マーキングして後で手当てすることに。

センブリの花

白い花びらが透き通るようにきれいです。
センブリは2年草で、花が咲くと枯れます。

来年咲く株も各所で見られました。
手入れされた明るい林内に生育しています。

今年最後のナンバンギセルの花かも?


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