葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2021年8月17日火曜日

8月17日 植生ボランティア

  今回は雨が予想されたので、植物のフェノロジー調査(花や実の記録)を中心に緑地内を歩きました。セミの声がにぎやかでしたが、ナンバンギセルなど秋の花が咲き出して、夏が終わりに近いことを感じました。ワルナスビやオオフタバムグラなど外来植物の拡大への対応も課題となっています。

ススキ草地ではナンバンギセルの花がたくさん咲いていました。

小雨の森もしっとりとして、いい感じです。
カシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害も今のところ見当たりません。

湿地で絶滅危惧種タコノアシの開花状況を確認

タコノアシ 花も咲き終りに近づいてます。
秋になると赤くなって「タコの足」のようになります。

植樹の林の下に要注意の外来植物が・・・

それはワルナスビです。茎にも葉にもするどいトゲが多数あり、草刈りも大変。
1株の根は3mの深さにまで伸び、横にも広がって、個体数が拡大していきます。
拡大を抑えるために、いろいろな方法を試しています。

ワルナスビを徹底的に刈り取っている場所。
根が残っているのですぐに再生します。
夏場5回以上刈って、どうなるかを試験中。

ここでは、ワルナスビの上に背の高い草を茂らせて弱らせる作戦。
多年草のワルナスビは根が残るので、長期に対策が必要です。

ここでは一年草の外来種オオフタバムグラの抜き取り作戦。
タネで増える一年草なので、とにかく抜くことでタネをばらまかれないように。

少しの時間でも山盛りです。
花の咲き始めた今がチャンスかも。

森の縁でオトコエシ(男郎花)の花が咲いていました。
オミナエシ(女郎花)の近縁種で最近あまり見かけなくなった野草です。

アメリカネナシカズラ 葉のない一年生の寄生植物です。
吸盤で他の植物にからみつき栄養を吸収して伸びていきます。
まるでラーメンのようなつるに白い花が開花中。
タネは長期間生きることが知られており、要注意の外来植物です。

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