葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2021年8月27日金曜日

9月の活動のお知らせ

■ ■ 里山散歩・朝ボラ ■ ■

 9月12日(日)に予定しておりましたが、緊急事態宣言の期間中となるため中止となります。会員企画については緊急事態宣言が明けてから改めてお知らせします。



■ ■ 葛城フォレスター ■ ■
 
 今月は6回です。活動内容は登録している方に別途ご連絡します。

〇日程
  9/3(金)、9/7(火)、9/10(金)、9/14(火)、9/21(火)、9/28(火)
7:30~12:30

 葛城フォレスターでは森の環境維持を行っています。事前登録等が必要ですが、どなたでも参加可能な活動です。興味のある方はぜひご連絡下さい!


■ ■ 植生ボランティア ■ ■

 今月の植生ボランティアは2回です。活動内容は登録している方に別途ご連絡します。

〇日程
9/7(火)、9/21(火) 9:30~12:00

 植生ボランティアでは、希少植物の保全や、野草や樹木の観察、記録づくり、外来植物の防除など、自然について楽しく学びながら活動しています。社会福祉協議会のボランティア活動保険への加入が必要ですが、植物の知識や経験は問いません!
ご興味のある方はお問い合わせください。見学も可能です。


 葛城里山クラブは、葛城大規模緑地の官民協働による保全と利活用を目指す茨城県事業の一環として、つくば環境フォーラム・つくば都市交通センター連合体が企画運営しています。
 葛城里山クラブにはどなたでも無料で会員登録できます。

2021年8月17日火曜日

8月17日 植生ボランティア

  今回は雨が予想されたので、植物のフェノロジー調査(花や実の記録)を中心に緑地内を歩きました。セミの声がにぎやかでしたが、ナンバンギセルなど秋の花が咲き出して、夏が終わりに近いことを感じました。ワルナスビやオオフタバムグラなど外来植物の拡大への対応も課題となっています。

ススキ草地ではナンバンギセルの花がたくさん咲いていました。

小雨の森もしっとりとして、いい感じです。
カシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害も今のところ見当たりません。

湿地で絶滅危惧種タコノアシの開花状況を確認

タコノアシ 花も咲き終りに近づいてます。
秋になると赤くなって「タコの足」のようになります。

植樹の林の下に要注意の外来植物が・・・

それはワルナスビです。茎にも葉にもするどいトゲが多数あり、草刈りも大変。
1株の根は3mの深さにまで伸び、横にも広がって、個体数が拡大していきます。
拡大を抑えるために、いろいろな方法を試しています。

ワルナスビを徹底的に刈り取っている場所。
根が残っているのですぐに再生します。
夏場5回以上刈って、どうなるかを試験中。

ここでは、ワルナスビの上に背の高い草を茂らせて弱らせる作戦。
多年草のワルナスビは根が残るので、長期に対策が必要です。

ここでは一年草の外来種オオフタバムグラの抜き取り作戦。
タネで増える一年草なので、とにかく抜くことでタネをばらまかれないように。

少しの時間でも山盛りです。
花の咲き始めた今がチャンスかも。

森の縁でオトコエシ(男郎花)の花が咲いていました。
オミナエシ(女郎花)の近縁種で最近あまり見かけなくなった野草です。

アメリカネナシカズラ 葉のない一年生の寄生植物です。
吸盤で他の植物にからみつき栄養を吸収して伸びていきます。
まるでラーメンのようなつるに白い花が開花中。
タネは長期間生きることが知られており、要注意の外来植物です。

2021年8月10日火曜日

8月3日 植生ボランティア+葛城フォレスター

  暑さが一段と増してきました。葛城大規模緑地では、樹木が葉を茂らせ夏草が旺盛に生育し草原ではバッタが飛び交っています。今回の植生ボランティアでは、フェノロジー調査とナラ枯れ被害木がないか、ナラ枯れを引き起こすカシノナガキクイムシ(通称カシナガ)の潜入痕がないかを見て回りました。カシナガは体長5mmほどの甲虫ですが、5月~6月ごろ成虫が発生し、コナラ、クヌギ、クリ、シラカシなどブナ科の木に小さな穴をあけて潜入してナラ菌を伝播します。ナラ菌を植え付けて繁殖させるのは、自分や幼虫のエサとするためで、カシナガは「農業をする昆虫」とも言われています。カシナガは集合フェロモンを出して特定の木を集中加害(マスアタック)し、その被害は大径木に多いことが知られています。マスアタックされた木はナラ菌の繁殖によって樹液の流動が止まるため、夏場に葉が赤褐色になり枯れてしまうのです。かつて里山では定期的に木を伐採し利用しており、枯れた木も伐採して燃料にしていたため、被害が拡大することはなかったのです。里山での人の利用が停止したことが、被害の拡大につながっていると言えます。

フェノロジー調査をしています

ツユクサの花が涼しげに咲いていました

絶滅危惧種アイナエの生育状況を確認

アイナエの花(生育高を測定しました)
15cm以下の小さな花です。

ヤブガラシの花。橙色の花盤に蜜があって、昆虫がやってきます。

森の中で、カシナガの被害がないか確認をしました。
2チームで直径20cm上の対象木83本を確認しました。
今回歩いた場所では夏枯れの木やカシナガの潜入痕はありませんでした。

2018年3月にコナラ・クヌギを植樹したエリア。
大人の背丈以上に育って雑木林になりつつあります。

猛暑の中、草が旺盛に伸びます。葛城フォレスター活動で刈払いを実施しています。



 植生の状況にもよりますが、生きものの住みかとして刈り残しているエリアがあります。葛城フォレスターメンバーの1人が住宅地の近くの草むらでタヌキを目撃したそうです。

2021年8月4日水曜日

8月8日の里山散歩は中止となります。

  茨城県で、県独自の緊急事態宣言が発令されました。国の緊急事態宣言の適応も要請しています。

 県内でも新型コロナウイルス感染症が急拡大していることから、8月8日(日)に予定しておりました里山散歩は中止することになりました。

 よろしくお願いいたします。