葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2024年12月27日金曜日

葛城の森での保全活動 葛城フォレスター オオタカの棲む森を目指して

 葛城の森にはオオタカの繁殖を目的として針葉樹林を保全しているエリアがあります。オオタカはマツやスギ、モミといった針葉樹の林に営巣します。 しかし、このところ、オオタカの営巣が確認できなくなっています。

オオタカの写真を葛城里山クラブ会員よりいただきました

葛城の森の保全エリアの針葉樹林は、かつて民有地だった頃に植林された場所です。生長に応じた手入れがされておらず、木と木が邪魔し合ってひょろひょろと上に伸び、不健康な木が目立ちます。不健康な木にはオオタカは営巣できません。また昼も暗い林床となりつつあります。この森を放置しておくと枯れ木が増えるとともに下草が育たなくなり、生物多様性も低下します。 

森林の健康と生物多様性を保つためには間伐が重要です。適切な間隔を保つことで健康な木が大きく育ち、オオタカの営巣が可能になるとともに、他の動植物の生息環境も改善されます。 

オオタカの営巣には、健康な木と共に、広い視界と飛翔空間が必要です。5メートルの間隔を目指して間伐を行うことで、オオタカが安全に飛び回り、巣を作る場所が確保されます。 

このような取り組みは、地域の環境保全や生態系の持続可能な管理にもなります。葛城フォレスター活動では、この1月にスギ林の間伐を行う予定です。

環境保全活動の一環として、葛城の森でのオオタカの生息環境を整えるための間伐活動に、ぜひ、ご参加ください。葛城フォレスターの体験参加にて、随時受け入れています。

体験参加の申し込みフォーム

https://forms.gle/NKbXGXddbbV9ZKQv7

よろしければ葛城フォレスターに加わっていただけると大変嬉しいです。



2024年12月26日木曜日

10月15日(火)「つくば生きもの緑地ネットワーク」の方々が見学に来ました

 10月15日(火)「つくば生きもの緑地ネットワーク」の方々が、葛城の森の見学に来ました。


つくば生きもの緑地ネットワーク」は、いくつかの機関に所属する研究者が発起人となって 2019年に立ち上げた、生きもののネットワークを将来へ残したい人々のネットワークです。現在は研究機関だけでなく企業や近隣のNPOも参加しています。

つくば市の研究機関の敷地内には、古くからの緑地がかなり残されています。研究機関、公園や企業緑地、県有林など様々な緑地を、生き物たちの暮らしをつなぐ緑のネットワークとしても保全していくことが大切です。

緑のネットワークの一員として葛城の森を評価し見に来ていただき嬉しく思います。森の動植物を楽しみながら、葛城フォレスター活動の管理の成果や、植生ボランティア活動で確認した希少種などを見てもらいました。  

       

    ぜひ、また来てください。今度は緑地の手入れを一緒に出来ればと思います!!





2024年12月25日水曜日

2025年1月 葛城里山クラブの活動案内

 


日本の里山で、森以上に減少しているのが茅場(かやば)です。

茅場は日本の里山文化において非常に重要な役割を果たしていました。

茅葺屋根の材料として使用される茅(かや)は、

日本の伝統的な建築様式を支える重要な資源でした。

また、家畜の飼料としても利用され、

農村社会の経済活動において重要な位置を占めていました。

しかし現代では茅場の利用が減少し、その管理や維持が難しくなっています。

茅場の減少は、里山の生態系や景観にも影響を及ぼしています。

かつてのように茅場が維持されることで、多様な植物や動物の生息地が守られ、持続可能な里山の管理が可能となります。


伝統文化の保護や環境保全の観点からも非常に重要な茅場を、葛城の森にて維持管理しており、今、葛城の茅は、茅葺屋根の材料としてとてもいい状態とのことです。ここ数年、葛城の茅を公共での利活用の範囲で、つくば市や周辺自治体に提供しています。


しかし、茅を10年15年と採り続けていくと次第に劣化すると聞いています。

良い状態の茅場のデータをとることで、よい茅場を維持していくヒントが得られるかもと考え、今年は筑波大学の土壌の研究室に参加いただき、土壌調査を行います。

また、茅の課題として、使うまでの保存場所の確保があります。

森の中で保存が出来れば課題解決に向かうのではと考えて、保管試験を行うことにしました。

1月の里山散歩は、これらの活動を一緒に行ってみたい方の参加を呼びかけます!

自由散策で森を楽しみたい方も、ぜひご参加ください。

今回は午前午後と森を楽しめます!!


★里山散歩★

 

実施日:2025年1月12日(日)

時間帯:10時~12時 及び 13時~15時

    午前のみ、午後のみでも、参加が可能です。


集合場所:葛城大規模緑地Gエリア(みどり公園向かい)

     午前は9時30分より10時まで受付

     午後は12時45分より13時までの受付です



予定している活動

午前:茅刈り、土壌断面掘り、土壌断面調査、茅の保管試験、自由散策

午後:茅刈り、土壌断面調査、茅の保管試験、自由散策

💛茅刈り初心者、親子参加、大歓迎です。丁寧にお教えいたします。


申込はこちら googleフォームです。

https://forms.gle/c9nZoCMHz97AhS5V8



今年の葛城の茅を、石岡市の茅葺き屋根の材料として提供いたします。

石岡市観光協会

https://www.ishioka-kankou.com/sightseeing/machinami/page000021.html




★葛城フォレスター活動★

オオタカが営巣する森づくりを行います

1/7(火)9:00-15:00 

1/14(火)9:00-15:00

1/21(火)9:00-15:00

1/28(火)9:00-15:00


上記活動日のうち、都合のよい日の午前もしくは午後で

体験フォレスターを随時募集いたします。

体験での参加の方には、切った木の枝を鋸で切ったり、

丸太に切った木を移動させたりをお願いします。

作業を通して森が明るく気持ち良くなる体験を、ぜひご一緒にどうぞ!



申込はこちら googleフォームです

https://forms.gle/NKbXGXddbbV9ZKQv7



葛城里山クラブ事務局

 メール: satoyamakt★tsukuba-ef.com

(★を@に変えてください)


一緒に自然を楽しみ、守り育てましょう!

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

葛城の森でお会いしましょう!


葛城里山クラブ事務局一同




2024年12月24日火曜日

11月17日 里山散歩

 11月17日(土)の里山散歩の様子を報告いたします

いい天気に恵まれ、森を楽しむ活動に多くの方の参加をいただきました。


小幡先生の植物観察会は、木の実や草の実についての学びを中心に楽しみました




本間さんと筑波大生による土壌動物観察会は、森の入り口に座り込んで生きものとの出会いを楽しみました。本格的な顕微鏡での観察もできました。ありがとうございました。



湿地の活動:湿地をデザインしようでは、森の間伐材を使って道を作りました



つくば市谷田部地区区会連合会研究学園支部主催の「研究学園エリアまちあるき」の参加者約20名が自由散策で葛城の森を楽しみました。


テントは森の中の「仕掛け」として設置したいとのことでお話をいただき、
茨城県の許可を得て当日のみの設置としました。









2024年12月16日月曜日

12月10日(火)春日義務教育学校3年生のみなさんが森に来てくれました

 12月10日(火)に、春日義務教育学校3年生約100名が、葛城の森に校外学習で訪問してくれました。

          

   5月に続いて、2回目の訪問です。色づいたクヌギやコナラの森にて迎えました
ここで昔、合戦があったみたいだよ
一面のススキ原(茅場)の作業道脇でカラスウリの実を探す子どもたち

            森の中に子どもたちを案内しました。
モミジの紅葉が奇麗でした。
枝を揺らして赤い葉っぱが舞い散る様子を楽しんだり、
モミジの種がくるくる回って落ちる様子に興味津々でした。

つくばの街中にまとまった大きな森があることを、
たくさんの子どもたちに喜んでもらえてうれしく思います!!
子どもたちを2回連れてきていただいた先生方に感謝いたします。
活動をサポートしてくださった葛城里山クラブ会員の皆様、
ありがとうございました。




2024年12月12日木曜日

10月14日 土壌生物観察会の報告です

 10月14日(日)の里山散歩で行った「土壌動物観察会」について報告します。

筑波大学博士課程前期2年次で、三宅島や御蔵島の土壌生物を研究されている本間伸太朗さんが、森の地面に暮らす生きものたちを紹介してくれました。その様子を主に写真で紹介いたします。

           

           空を見上げると20km先まで見渡せるという。


でも、地面の下は1mm先だって誰も見ることはできない。
私たちの足元に生きる、「土壌動物」の世界を体験しましょう!!

ということで、足元の土を掘って生きものを探してみます。


右側が本間さん 
筑波大学の学生さんたちが活動を補助してくれました。
本間さんがつくってきてくれた土壌生物のビンゴを使って
楽しく分かりやすく探すことが出来ました。