葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2020年11月18日水曜日

11月17日 植生ボランティア

 秋が一段と深まってきました。葛城の森も紅葉の盛りを迎えています。そんな中ですが、つくば市で「ナラ枯れ」が確認されたというニュースが飛び込んできたため、急遽、緊急調査をしました。「ナラ枯れ」はカシノナガキクイムシ(通称カシナガ)という甲虫がナラ類やカシ類の木の幹に穴をあけて入るときに病原菌を持ち込み、それが広がって木を枯らすというもので、日本各地で大量枯死が発生しています。茨城県では昨年まで発生がなかったのですが、この夏、市内で枯死したコナラがあり、カシナガが確認されて初記録となりました。夏に被害木で増えたカシナガは秋に分散飛行をして健康なナラやシイに入るそうなので、入られた形跡の木がないか森の中を確認して歩きました。

イロハモミジがきれいに紅葉していました。

ウワミズザクラは黄葉。陽に透けて、すてきです。

太い木がカシナガの被害に合うそうなのでチェックしました

コナラの紅葉
カシナガの被害が多い木なので要チェックです

コナラの要観察木にテープを巻きました。
位置と状況を記録します。
来年夏、枯れていないか確認します。

新しそうな穿孔を発見しました。
カシナガは2㎜くらいの穴をあけるそうです。

根元に木くず(フラス)がたくさんあります。
穿孔をあける虫は多いので、カシナガのものかはわかりません。

コナラやクヌギの太い木が美しい景観をつくっています。
葛城の森では、カシナガによって枯れたと思われる木はありませんでした。
今後、カシナガの被害が出ないことを祈ります。

大量の樹液が流れ出ているコナラがありました。
これはカシナガの仕業ではありません。
(高い位置で大きな穴なので、多分カミキリムシ?)

寿命がつきたススメバチ(働きバチ)が樹液の下で死んでいました。
「最後にごちそう食べられたね」と誰かがつぶやきました。

ハラビロカマキリのメスが産卵場所を探していました。
産卵が終わると寿命もつきます。

ムラサキシキブの実
葉はすっかり黄色になりました。

クヌギの幹のナツヅタ
赤い紅葉が森に彩をそえていました。

2020年11月9日月曜日

11月8日 里山散歩

 11月の里山散歩は、自由散策とガイドウォークを選択していただいて実施しました。秋の森で、きれいな紅葉・黄葉や色づいた木の実を観察したり、どんぐりを探したり、のんびり歩いて楽しむことができました。

紅葉・黄葉がはじまった秋の森をのんびり歩きます。

ムラサキシキブの実 きれいな赤紫色 食べると苦みがあるけど甘い

カマツカの実 食べるとリンゴの味がします

ガマズミの実 すっぱいです
きれいな木の実は、目立つような色合いで鳥たちに食べてもらって種を散布します

草原も草もみじ トンボやバッタがまだ見られました

枯草を持ち上げるキノコ
シロフクロタケのようです

落ち葉がクモの巣にひかかって空中で踊っているのが楽しい



ウワミズザクラの葉は薄く、陽の光が透けてきれいです

クヌギのどんぐりから根っこが伸びていました

コカマキリ 大きい方がメス、小さい方がオス。卵を産んで一生を終わります。

ススキ草地もすっかり秋の装いです。