葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2024年8月26日月曜日

8月19日 植生ボランティア活動の報告

 葛城大規模緑地には、芝畑として長年使われていた場所があります。

芝を販売する時に表土も剥がしていくので、

芝畑跡地は、その多くが表土がなくなって大変貧栄養な状態です。

長年の芝の出荷で土を削って低くなっているからなのか、

大雨の時に水が溜まりやすいです。

それでいて、晴天が続くとカラカラになります。

そのような場所を、葛城フォレスターで背が低い草むらとして維持管理したところ

絶滅危惧種が確認されています。

多様性を育むのにどのような管理が良いのか、とても示唆に富んでいると感じています。

確認した絶滅危惧種はこれ!!

写真の真ん中に小さな白い花があるのがわかりますでしょうか?
背丈15㎝くらいしかないひょろひょろの植物です。「アイナエ」という名前です。
写真の真ん中のひょろっと伸びた茎と細長い三角の植物です。
これまた分かりにいです(;^_^A。シダ植物で「コヒロハハナヤスリ」という名前です。

どちらも管理の停止による植物遷移の進行が、生息地が減っている要因と考えられています。

暑い中、日なたでの調査活動の様子です。頑張りました!!

このあと、森の植物を確認しながら湿地に向かいました。
7/14には満々と水を湛えていた湿地ですが、ほとんど水が無くなっていました。
湿地の縁の草むらで「コカモメヅル」という絶滅危惧種の花が咲いていました。
この写真、ずいぶんアップにしています。花の大きさは1㎝くらいでしょうか。
湿地の中には「イトイヌノヒゲ」という絶滅危惧種の花が咲いていました。
この写真、さらにアップして写しています。花の大きさ5㎜くらいでしょうか。

   こちらは「タコノアシ」という絶滅危惧種の花です。
   この草は高さ1m以上に大きくなります。

今回は植生ボランティア活動で確認できた絶滅危惧種のうち5種類を写真で紹介しました。
植生ボランティアのみなさまに写真を提供していただきました。ありがとうございました。
どの種も里山ならではの植物です。
管理が停止して遷移が進むと生息が難しくなると考えられています。

湿地では、里山散歩で楽しみながら池や水路を掘ったり、掘った土を盛ったりすることで、
土の中に保存されていた種子が発芽できたことで、絶滅危惧種を含む多様な植物が育っています。
また、フォレスター活動での草刈りで散策路づくりや藪化をリセットすることが、
植物遷移の進行を抑えることにつながっています。

楽しめる場所づくりが、生物多様性の保全にもつながるよう、
これからも活動を行っていきたいと思います!!
植生ボランティアの調査活動には、宝探しのような楽しみがあります!!










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