葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2021年9月21日火曜日

9月21日 植生ボランティア

 今回は、植物のご研究を長年続けてこられて茨城県の植物にとても詳しい成島明先生をゲストにお迎えして、葛城の植物について、いろいろ教えていただきました。フェノロジー調査(花や実の記録)では、普段は見過ごしてしまうイネ科の花や実なども観察、80種以上を記録しました。また、湿地では生育する植物種のリストアップを行い、茨城県の絶滅危惧種4種を含む70種を記録することができました。

ガマズミの実が色づきました。

成島先生と緑地内で植物観察。

秋の七草のひとつクズの花は、そろそろ終わりです。

背の高いアキノノゲシがたくさん咲いていました。

湿地で植物調査中。生育する種をリストアップしました。

ニオイタデの花。茨城では絶滅危惧種ですが、葛城ではたくさん生育しています。

タコノアシの実が赤くなりかけていました。
名の由来はこの実のつく様子から。タコの足そっくりですね。

草の中、かき分けて植物調査!

林の縁ではサワフタギの実がすっかり青くなっていました。きれいな色です。

ブタクサも開花中。キク科の風媒花で花粉症原因植物の一つです。

クサギの実。赤と青のコントラストがすてきです。

シラカシのドングリも成長中。落ちるのはコナラやクヌギに遅れて11月ごろ。


2021年9月10日金曜日

国立科学博物館特別展「植物」に葛城のコシオガマが展示

 上野の国立科学博物館では、ただいま特別展「植物ー地球を支える仲間たち」を開催中です。昨年、筑波実験植物園の研究者の方からご依頼を受け、標本用にコシオガマ(半寄生植物)の生体を葛城緑地から提供しました。今回、アクリル封入標本になって展示され、また、協力者として「茨城県・葛城大規模緑地里山クラブ」の名前も会場に掲示されておりますので、ご報告します。特別展は9月20日まで開催されます(入場は予約制となっています)。来年1月14日~4月3日には、大阪市立自然史博物館でも展示予定です。



寄生植物のコーナーに展示されています。

葛城大規模緑地に生育していたコシオガマ
緑色の葉をもつ半寄生植物です。

コシオガマ (昨年10月に葛城で咲いた時の写真です。)

謝辞に葛城大規模緑地里山クラブの名前が入っています。
(左の上から3番目)


2021年9月7日火曜日

9月7日植生ボランティア

  9月第1回目の植ボラは、ひさびさの青空と涼しい風で気持ちよい一日でした。今回は、植物のフェノロジー調査(花や実の記録)をしながら緑地内を回り、絶滅危惧種の保全区の手入れを行ったのち、湿地の周辺エリアでフォレスターの皆さんと合流して、外来種防除の活動を行いました。

クリの実。普通はイガの中に3個の実がはいっているのですが、これは6個!

花や実を観察しながら記録します。
篠竹はあとで活躍・・・

ガマズミの実も赤らんできました。

絶滅危惧種に篠竹でマーキング

生育エリアを篠竹で囲って草を刈りました。

コジャノメ(蛇の目蝶の仲間)のオスとメス

ススキの穂がでてきました。もうすぐ秋本番です。ススキの株元には・・・

ナンバンギセルがそこかしこで咲いています。

秋のススキ草地。ヒヨドリバナ、ワレモコウがきれいです。

サワヒヨドリ。花がピンクがかっています。

外来種のワルナスビの防除作業。

ワルナスビ。茎にも葉にも鋭いとげがある植物なので、作業は革手袋で。
実がなってタネが散布される前に除去することが大切です。

ワルナスビは根が広がってどんどん増えます。できるだけ根も除去。

外来種セイバンモロコシの掘り取り除去作業について
フォレスターのメンバーが植ボラメンバーに説明。

葛城緑地でも開けた場所にセイバンモロコシが拡大しています。
タネを実らせないこと(穂の刈り取り)と根茎除去が必要です。