葛城地区大規模緑地(葛城の森)とは、「つくばエクスプレス」の研究学園駅の北東、駅から徒歩約20分のところに広がる茨城県が所有する平地林です。隣接する私有地(保安林)と合わせると20haもの広さになり、開発が進むつくば市において、豊かな自然が残る貴重な場所です。かつて、ここは里山として人々に利用されてきたところで、現在でも様々な動植物が生息しています。私たちNPOつくば環境フォーラムは、今から10年以上も前から保安林の一部にて森林保全や環境教育の活動を行ってきました。現在、茨城県の委託を受けて、この緑地を里山公園として利活用する取り組みを進めています。

2021年1月25日月曜日

会員企画プロジェクト「残された湿地を魅力あふれる場にしよう!」

 昨年7月からスタートした会員企画プロジェクトのイベントが2月、3月に2か月連続で開催されます。

 このプロジェクトは昨年7月に葛城里山クラブ会員の皆様から「この森でやりたいこと」についての意見を募集するところから始まりました。ビオトープづくり、田んぼづくり、野草料理、合奏会、工作会…集まった多種多様なアイデアの中から、葛城大規模緑地で実現可能ないくつかのアイデアを「森」「水辺」「草地」の3つの環境でグループ分けしてプロジェクト案を作成しました。

 10月の葛城里山クラブ交流会では、作成したプロジェクト案を参加者のみなさんに紹介して、その中から特にやりたいことをピックアップ。プロジェクトに参加してくれるメンバーも募集しました。


 その結果、まずは水辺のプロジェクトを始動させることになりました。
水辺プロジェクトの舞台は、葛城大規模緑地の南端にあるかつて谷津田だった湿地です。現在は、季節や雨の具合で水が貯まったり、干上がったりする不安定な場所ですが、常に水のある部分を確保することで、水を飲みに生き物が集まったり、トンボ等の産卵の場になったり、様々な可能性をもっています。

 これまでの里山散歩でも部分的に掘り込んだり土嚢を積んだりして整備してきましたが、このプロジェクトではもう少し進めて、水路をデザイン、整備していきます!

新型コロナウイルス感染症対策のため、少人数での開催となります。ご興味のある方はお早めにお申し込みください。


会員企画プロジェクト「残された湿地を魅力あふれる場にしよう!」

 〇日程

 214日(日) 【第一回~湿地の可能性を探ろう~】   
   
 313日(土) 【第二回~湿地を楽しもう~】 

  ★両日とも定員に達したため受付を終了します。

   

 〇申込方法

 参加にあたっては葛城里山クラブへの入会が必須です。
 葛城里山クラブHP内【web入会フォーム】から必要事項を入力の上、「参加申込内容」の欄に"会員企画プロジェクト参加”と参加したい日付をご記入ください。
 事務局からの返信をもってお申込み完了となります。


 〇申し込み期限

 定員に達し次第受付を終了します。(定員各回30名)

 

 〇その他

 持ち物、集合場所等は参加者にご連絡します。





2021年1月13日水曜日

1月12日 茅の搬出

 葛城の茅(ススキ)は、筑波大学のプロジェクトで八郷に再生されている茅葺民家のために使われています。刈って持ち出すことで、ススキ草地が保全されます。この日は、学生さんたちと植生ボランティアのメンバーが茅刈りする予定でしたが、明け方の雨で茅が濡れてしまったので、10日に刈った茅の搬出のみ行いました。軽トラック3台分になりました。保管場所で受け取ってくださった茅手(茅葺職人)さんに「素性がよく(まっすぐ育って)、長さもあっていい茅だ」とお褒めいただいたそうです。3年目の茅刈り、茅の育成に成功です!

軽トラに茅束を交互に積んでいきます。

予定していた2台に積んでも、まだあって、急遽3台目を用意。

しっかりロープで絞めます。

背丈より高くまっすぐな茅

刈った後にはナンバンギセルの実がたくさん。
一つ一つに細かい種がぎっしりです。

茅葺保存会の方の車にびっくり。天井が茅葺! 夏とても涼しいそうです。


2021年1月10日日曜日

1月10日 里山散歩

 今月の里山散歩は、自由散策と茅刈りの好きな方に参加していただきました。自由散策希望のご家族は受付後出発。茅刈りチームは集まってススキ原に移動しました。茅刈りではススキを刈って束にしました。この茅の束は茅葺屋根の資材となります。刈って持ち出すことで草原(ススキ原)が持続し、草原特有の動植物が保全されます。

小さなお子さんがいるご家族が森の中をゆったりと散策されていました。

茅刈りチームはススキ原で集合し説明を受けました。

ススキの刈り方と束ね方を教わります。

説明パネル

茅刈り開始!

子どもたちもかんばってます。

刈った茅を揃えます。

上下2ヶ所を畳の縁で縛ります。
今年の茅はとてもよく生育しました。

刈った茅を一時保管するので、シートに積み上げました。

みんなで記念撮影

明後日、雪か雨が降るかもなのでシートで覆いました。
皆が帰ったススキ原に、ルリビタキ♂が来ましたよ。

2020年12月25日金曜日

1月の里山散歩のご案内(茅刈りします!)

昨年の茅刈りの様子

 

★葛城里山クラブ 里山散歩

 1月の里山散歩は茅刈りと自由散策です。

 茅葺屋根の材料となる茅というのは何だか知っていますか? 茅という植物があるわけではなく、ススキやヨシ、チガヤなどのイネ科植物で屋根の材料として使用している植物の総称なんです。2018年から始まった茅刈りも今年で3回目。今年のススキは背が高くていい茅になりそうです。ススキ原を維持するためには刈り取って持ち出すことが大切なので、ぜひお手伝いください。

 ゆっくり、のんびり、冬の森で自由散策もおすすめです。冬の野鳥も来ていますよ。

 

〇日程  1月10日(日) 雨天中止

   9:40~10:10 受付 (受付後、自由散策ご希望の方は出発できます)

  10:00 茅刈り参加者は現地へ移動

  10:10 説明・作業開始

  12:00 終了・解散(自由散策の方は終了までにご退出ください)


〇服装 汚れてもいい服装、帽子、履物は長靴を推奨

 肌が出ているとススキの葉で切ってしまうことがあるため、長袖長ズボンだけでなく帽子も必ず着用してください。


〇持ち物 軍手、飲み物、マスク

 刃物を扱うので滑り止め付きの軍手をご用意ください。マスクは人との距離が保てている場合等は適宜着脱してください。


〇集合場所  申込んだ方にお知らせします。


〇参加費  無料  


 〇申し込み方法

葛城里山クラブ事務局(つくば都市交通センター内)の以下の申し込みフォームからお願いします。

https://www.tutc.or.jp/form/event.php

参加申し込み内容に「1月の里山散歩参加希望(茅刈り)」等と記載して下さい。


〇申し込み期限   ~1月7日(木)

 道具の準備がありますので、期限までにお申し込みください。

茅刈りか自由散策のどちらに参加するかも必ず記載してください。

事務局からの返信をもって受付完了です。

(12/28以降のお申し込みは1/4から返信します)


1束の茅。保管して茅葺屋根の材料になります。

今年は、とてもいいススキが育っています。茅刈りご協力お願いします。


2020年12月15日火曜日

12月15日 植生ボランティア・葛城フォレスター

 今回は、今年最後の葛城での活動です。一番西のはじにある作業道沿いの手入れ活動をしました。車販売店に隣接しているので、低木林の形成を促して維持する予定の場所です。葛城フォレスターと植生ボランティアのメンバーが一緒に活動し、お茶休憩の時間などで交流もできました。

草原もすっかり冬のたたずまい

植生ボランティアで残っている花や実をチェック

ヒヨドリジョウゴ(ナス科のツル植物)の実

フィレスターの皆さんと落ち合って作業開始

アズマネザサ刈りや込み入っている幼木の整理をしました。

ムラサキシキブの実がたくさんついていました。野鳥が大好きな実です。

暖かい陽ざしの中でお茶休憩。会話も楽しみの一つ。

作業道の両側がすっきりとしました。


2020年12月14日月曜日

12月13日 葛城里山クラブ 里山散歩

 今回は、自由散策、落ち葉かき、フクロウの巣箱かけの3つのうち、好きなもの(複数も可)に参加できるようにしました。落ち葉かきチームは松林でアカマツが健康に育つよう、落葉かきをしました。子どもたちも落ち葉をかいたり、落ち葉で遊んだり、楽しみました。落ち葉かき途中で、近くで巣箱をかけるところを見学もしました。巣箱かけチームは森の5か所に巣箱を取り付けましした。フクロウが使ってくれるといいですね。

落ち葉を除去して土を貧栄養にした方がアカマツにとってよいそうです。

ブルーシートが大活躍!

小さな子もお手伝い。ありがとう!

高校生たちも来てくれました。

落ち葉の山は楽しいね!

あったかくてフワフワで気持ちいいね。

松葉でおうちもつくれる?

フクロウの巣箱かけチーム

巣箱の大きさにびっくり。中にはウッドチップが入ってます。

4人がかりの大仕事。お疲れ様。


2020年12月2日水曜日

12月1日 葛城フォレスター

今回は散策路沿いにある大きなユリノキを伐採しました。

ユリノキはこの土地の本来の植生にはないので、街路樹として周辺に植えられたものが入り込んだと思われます。成長が早く、大木になるわりに根が浅いため、大木になってから倒木の危険があってはいけないということで今のうちに処置することとなりました。

倒す方向(写真右側)に受け口をつくり、
その反対側からチェーンソーの刃を入れます。

機械でゆっくり引っ張って倒します。

無事に狙った位置に倒れました!

大きな木の伐採は危険を伴う作業ですが、徹底した安全確認とベテランフォレスターさんの技術力で見事に狙った位置に倒すことができました。

見上げるほどの高さと直径約30㎝の太さでしたが樹齢はわずか12、3年だったそうで、ユリノキの成長の早さにびっくりです。


この日は伐採作業の他に駐車場として使っている砂利の広場周辺の草刈りを行いました。マイツリーを傷つけないように、刈払機と手作業を組み合わせて丁寧に刈って、すっかりきれいになりました。

葛城フォレスター活動について


葛城の森では、良好な自然環境を次世代に手渡すため、森、草地や湿地の手入れ作業を週1日程度実施しており、担っているメンバーを「葛城フォレスター」と称しています。

(活動日は主に火曜日。有償ボランティアです。メンバーは随時募集中。)


先週今週と、フォレスター活動の体験参加希望があり、一緒に活動を行いました。

外来種セイバンモロコシの除去や、電動の刈払い機(軽くて使いやすいです!)を用いての草刈り等を体験していただきました。

フォレスター活動では、随時、体験参加を受け付けております。ご希望の方は葛城里山クラブ事務局まで、ご連絡ください。

2020年11月18日水曜日

11月17日 植生ボランティア

 秋が一段と深まってきました。葛城の森も紅葉の盛りを迎えています。そんな中ですが、つくば市で「ナラ枯れ」が確認されたというニュースが飛び込んできたため、急遽、緊急調査をしました。「ナラ枯れ」はカシノナガキクイムシ(通称カシナガ)という甲虫がナラ類やカシ類の木の幹に穴をあけて入るときに病原菌を持ち込み、それが広がって木を枯らすというもので、日本各地で大量枯死が発生しています。茨城県では昨年まで発生がなかったのですが、この夏、市内で枯死したコナラがあり、カシナガが確認されて初記録となりました。夏に被害木で増えたカシナガは秋に分散飛行をして健康なナラやシイに入るそうなので、入られた形跡の木がないか森の中を確認して歩きました。

イロハモミジがきれいに紅葉していました。

ウワミズザクラは黄葉。陽に透けて、すてきです。

太い木がカシナガの被害に合うそうなのでチェックしました

コナラの紅葉
カシナガの被害が多い木なので要チェックです

コナラの要観察木にテープを巻きました。
位置と状況を記録します。
来年夏、枯れていないか確認します。

新しそうな穿孔を発見しました。
カシナガは2㎜くらいの穴をあけるそうです。

根元に木くず(フラス)がたくさんあります。
穿孔をあける虫は多いので、カシナガのものかはわかりません。

コナラやクヌギの太い木が美しい景観をつくっています。
葛城の森では、カシナガによって枯れたと思われる木はありませんでした。
今後、カシナガの被害が出ないことを祈ります。

大量の樹液が流れ出ているコナラがありました。
これはカシナガの仕業ではありません。
(高い位置で大きな穴なので、多分カミキリムシ?)

寿命がつきたススメバチ(働きバチ)が樹液の下で死んでいました。
「最後にごちそう食べられたね」と誰かがつぶやきました。

ハラビロカマキリのメスが産卵場所を探していました。
産卵が終わると寿命もつきます。

ムラサキシキブの実
葉はすっかり黄色になりました。

クヌギの幹のナツヅタ
赤い紅葉が森に彩をそえていました。